不動産売却

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任意売却とは?基本やメリット・デメリットについて分かりやすく解説

ジョニー
会社の業績が悪くなってきて、給料やボーナスがカットされた
リーアム
でも、住宅ローンは完済していないから、ローンの支払いはしなくてはならない
ジョニー
ローンの完済はしていないけど、家を売る方法はないかな?

 

住宅ローンを支払っている方で、上記のような悩みを抱えてる人はいると思います。

 

人生の中では、予期せぬ出来事が起こるものです。

 

例えば、失業や会社の業績が悪くなって、給料やボーナスがカットされることもあり得ます。

 

しかし、このような状況の中でも住宅ローンが残っていれば、毎月の返済はしなくてはなりません。

 

返済ができず、住宅ローンが滞納してしまった場合、ブラックリストに載ってしまうことになります。

 

最悪の結果、住んでいる家を競売にかけられ、家を手放さなければならない状況に陥ることも考えられます。

 

そのため、早い段階での対処が必要です。

 

そこで、今回は住宅ローンが完済していなくても家を市場価格で売却できる方法について紹介します。

 

その方法は、「任意売却」と呼ばれるものです。

 

この記事を読むことで、「任意売却」の基本的な知識やメリット・デメリットを理解することで、適切な選択肢を見つける手助けとなれば幸いです。

 

任意売却とは

まず、任意売却とは何かについて説明していきます。

 

任意売却の定義

任意売却とは、住宅ローンを滞納し、返済が困難な人のための不動産の売却方法です。

 

言い換えると、金融機関の合意を得ることで住宅ローンが完済していなくても家を売却できることです。

 

任意売却を成立させるためには、金融機関が保持している「抵当権」と呼ばれるものを解除する必要があります。

 

抵当権について以下に説明します。

 

抵当権とは

「抵当権」とは、ローンが滞った場合、金融機関はその家を売却して残りの残債を回収する権利のことを言います。

 

また、完済するまでに家を保有していることを「担保する」と言います。

 

したがって、任意売却を成立させるためには、金融機関に抵当権を解除してもらうことが必要です。

 

競売にかけられる

競売とは、借金やローンの返済が滞った場合、金融機関が担保している不動産などを裁判所を通じて強制的に売却し、その売却料金を回収することを言います。

 

競売は、住人の意図に関係なく行われます。

 

さらに、競売での価格は市場価格に比べると低く、市場価格の7割程度です。

 

また、競売にかけられるとネット上にその家の情報が分かってしまうため、近所の人に滞納していることが知れ渡ってしまいます。

 

通常売却との違い

通常の不動産の売却との大きな違いは、住宅の所有者が支出価格を決め、自発的に売却することができるところです。

 

任意売却では金融機関が担保している家であるため、支出価格は金融機関が決めます。

 

また、金融機関は残債を回収できるための金額に設定する必要があります。

 

単純に通常売却はローンが完済されている状態の不動産であるため、支出価格を決められる理由については納得できますね。

 

 

任意売却のメリット・デメリットについて

メリット・デメリット

次に任意売却のメリット・デメリットについてそれぞれ説明していきます。

 

メリット

メリットには、以下のような4つがあります。

ポイント

  • 市場価格に近い金額で売却できる
  • ローンの滞納が他の人にばれない
  • 残債は分割返済できる
  • 引っ越し費用の援助がある

 

それでは、それぞれ1つずつ説明していきます。

 

市場価格に近い金額で売却できる

競売で売却されると、購入価格の7割程度の金額でしかならないため、市場価格で売却できることは大きなメリットだと言えます。

 

なぜなら、市場価格で売ることができれば、残りのローンを早く完済することができるからです。

 

残りのローンが少しでもなくなれば、精神的なプレッシャーから解放されるでしょう。

 

ローンの滞納が他の人にばれない

任意売却では、物件の情報が一般のものと扱われます。

 

そのため、ローンが完済していないことが他の人に知られることがありません。

 

しかし、競売にかけられると、競売物件として扱われるため物件の情報がインターネットに掲載させます。

 

その結果、知人や近所の人に競売にかけられていることが知れ渡ります。

 

そうなれば、プライバシーは守られません。

 

経済状況を他人に知られたくないためにも、任意売却で家を売る方が賢い方法だと言えます。

 

残債は分割返済できる

売却後の残債を金融機関と相談の上、分割で返済することが可能です。

 

分割返済ができることで無理のない返済金額で支払いが可能なため、経済的にも負担が減ります。

 

引っ越し費用の援助がある

任意売却を行う際、金融機関は売主に引っ越しをスムーズに進めてもらうために、引っ越し費用を負担することがあります。

 

なぜなら、売主が迅速かつ円滑に新しい住居に移ることを促進するためです。

 

引っ越し費用は、任意売却で得られる売却代金の一部を引っ越し費用として提供する形で支払われることが一般的です。

 

また、援助してもらえる引っ越し代金の相場は、10万円から20万円と言われています。

 

しかし、必ずしも引っ越し費用を援助してもらえるわけではないので、金融機関での確認が必要です。

 

デメリット

デメリットは以下の4つです。

 

ポイント

  • マイホームを失う
  • 手続きが面倒
  • 任意売却不成立のリスク
  • 悪徳業者とのトラブルにあう場合がある

マイホームを失う

まず、マイホームを失ってしまいます。

 

住んでいた年数にもよりますが、マイホームには思い出が詰まっており、手放すときは切ない思いをするでしょう。

 

また、次の住宅の立地によっては、通勤や通学が以前よりもスムーズにいかなくなることがあります。

 

環境がすべて変わるため、精神的に不安定になることも考えられます。

 

手続きが面倒

任意売却を進めていく中での手続きが複雑で面倒です。

 

なぜなら、売却するまでにいろいろなステップを踏まなければならないからです。

 

例えば、金融機関に交渉したり、物件の査定や買い手を探すなど、やらなければならないことはたくさんあります。

 

したがって、売却が成立するまでに面倒な手続きをしなければなりません。

 

任意売却不成立のリスク

任意売却は必ずしも成功するわけではありません。

 

その理由は、任意売却にはある期間内で売却を成立させる必要があるからです。

 

例えば、猶予期間内に買い手が見つからずに物件が売れなかった場合、競売にかけられてしまいます。

 

したがって、必ずしも成功するという保証はありません。

 

悪徳業者とのトラブルにあう場合がある

任意売却をサポートする業者の中には悪徳業者も存在します。

 

このような悪徳業者は適切な対応をせず、都合の悪い依頼は放置し、多額な金額を搾取します。

 

お金にも時間にも余裕のない状況なので、冷静さを失ってしまうのはよくあることです。

 

また、不動産に関する知識がなければ、その業者が悪徳業者であるかどうかを見分けることは難しいでしょう。

 

そのような被害を避けるためにも、事前に業者については調べておくことが必要です。

 

任意売却は期間内に成立させる必要があるため、良い業者を見つけることが重要です。

 

任意売却の手続きの流れ

それでは、任意売却の手続きの流れについて説明していきます。

 

事前準備

家を売る前に、現在の残債や家を売った場合の金額がどれくらいになるかを確認しておく必要があります。

 

もし、この時点で返済できる見込みがあるなら、完済することをおすすめします。

 

しかし、返済が難しいなら、借入先である金融機関に返済が困難なことを伝えましょう。

 

この段階で、早い目に金融機関にその旨を伝えておくことが重要であり、その後のステップもスムーズに行うことができます。

 

専門家との相談

次に、任意売却アドバイザーや不動産会社に相談します。

 

1つの専門家ではなく、複数の専門家に相談することをおすすめします。

 

なぜなら、悪徳業者も中にはいるため、適当な対応をされることも少なくないからです。

 

また、多額の金額を搾取され、お金と時間を無駄にしてしまいます。

 

専門家に相談することによって、任意売却のメリットやデメリットについても説明をしてくれます。

 

もし、現在の状況を他のお客さんや専門家の方に聞かれたくないのであれば、個室での相談も行っているところもあります。

 

プライバシーが守られているので、安心して相談できるのは大きいです。

 

金融機関との交渉

専門家に相談した後、次は金融機関に任意売却が可能かどうかを確認する必要があります。

 

その理由として、任意売却は必ずしも承諾されるとは限らないからです。

 

例えば、売却後の残債務が多く、返済の見込みがないと判断された場合などが該当します。

 

したがって、任意売却を進めてもらうためにも、金融機関としっかりと協議することが重要です。

 

売却活動

金融機関との交渉も終え、任意売却が許可されると、売却活動に入ります。

 

売却活動では、不動産業者が家を買ってくれる人を探します。

 

しかし、任意売却は一般の売却とは異なり、猶予期間内に買い手を見つける必要があります。

 

遅くても半年以内に買い手が見つからなければ、競売にかけられてしまうので、その期間内に売却しなければなりません。

 

売却後の対応

売却が完了したら、その売却代金を用いて残債を返済します。

 

しかし、必ずしもローンが完成するわけではなく、残債が残るケースもあります。

 

もちろん、残債はゼロにする必要があるので、返済する必要があります。

 

もし残債を一括返済することが難しいなら、金融機関に相談して、分割返済をすることも可能です。

 

無理のない金額に設定してもらえるため、売却後の返済もスムーズに行うことができます。

 

また、この時期に残債の返済と並行して、新しい住居の確保や引っ越しの準備も進めていく必要があります。

任意売却が成功するためのポイント

任意売却が成功するためのポイント

 

任意売却を成功させるためには、4つのポイントがあります。

 

それぞれ1つずつ説明していきます。

 

早い目の相談と準備

住宅ローンが払えなくなったら、滞納せずに早い段階で不動産会社に相談することが必要です。

 

なぜなら、住宅ローンを滞納すると、遅延損害金が発生し、最終的には競売にかけられます。

 

最悪の場合、持ち家を失った上、残債を支払い続けなくてはならない結果になります。

 

そうならないためにも、早い段階で任意売却の手続きを進めることが必須です。

 

もし、スムーズに手続きが進めば、よりよい条件で家を売却できるかもしれません。

 

また、余計な時間と支払いがなくなることで、経済的なストレスも軽減されます。

 

 

適切な価格設定

任意売却を成功させるためにも、適切な価格設定が必要です。

 

市場価格に見合った価格設定をすることによって、買い手を見つけやすくなるでしょう。

 

任意売却には、期間が定められているため、売却が成立するまでの時間が限られています。

 

迅速な売却を可能にするためには、不動産会社に依頼して、査定をしてもらい、現実的な価格に設定してもらう必要があります。

 

信用ある専門家の選定

専門家には、良い専門家もいれば、悪質な業者もいます。

 

任意売却をスムーズに進めるためにも、良い専門家を見つけることが必要です。

 

悪徳業者は多額な金額を請求するだけで、適切な対応をしてもらえません。

 

また、貴重な時間をとられるので、良い業者を選定することは非常に重要です。

 

金融機関との良好な関係構築

任意売却を成功させるためには、金融機関との良好な関係を築くことが非常に重要です。

 

ローンの返済が困難である場合、早期にその旨を伝えることが必要です。

 

早めのコミュニケーションは信頼関係を築く上でも大切なことであり、よりスムーズなやり取りも可能になります。

 

また、常に誠実な対応を心がけることが重要です。

 

悪い例ですが、暴言を吐いたり、上から目線で物を言う人も実際にいるそうです。

 

そのような悪い態度を取っていては、もちろん任意売却が許可されることはありえません。

 

任意売却がスムーズに行えるためにも、金融機関との関係は大切にしたいですよね。

 

まとめ

以上、任意売却の基本事項やメリット・デメリットなどについて解説してきました。

 

冒頭でもお伝えした通り、人生には不慮の出来事が起こります。

 

会社をリストラされたり、給与・賞与のカットなど、そのような事態は私たちには予期することができません。

 

しかし、どのような状況の中でも、住宅ローンを支払いは毎月やってきます。

 

その支払いが滞ると遅延損害金が発生し、信用情報にも影響を及ぼします。

 

そのような事態に陥らないためにも、早期に対応することが重要です。

 

任意売却は必ずしも成功する手段ではないですが、場合によれば市場価格での売却も期待できます。

 

もし、住宅ローンの返済が困難な時、任意売却を検討してみてはいかがでしょうか。

 

困難な状況でも適切な対応を行えば、きっと明るい未来が待っています。

 

本記事で紹介した内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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