現在、物流業界は人手不足で求人の数も多い職種です。
その物流業界の業種の1つには、「物流倉庫作業」というものがあります。
物流倉庫作業と聞いても、あまりイメージがわかない人もいるのではないでしょうか。
私も物流業界で働いてきましたが、実際に始める時はどんな職種なのか全くイメージが湧きませんでした。
どんな仕事なのかイメージがつかめなかったので、いろいろと不安がありました。
以下が、その当時私が抱えていた不安です。
物流業界に転職したいけど、未経験だし大丈夫かな?
フォークリフト免許の資格はないけど、転職できるかな?
未経験の仕事なので、どんなことをするのか不安。
初めて経験する人の中には、こういった不安がある人が多いのではないでしょうか。
実際、私自身も始めた当初は不安でした。
しかし、やってみると最初は慣れるまで時間がかかりましたが、徐々に慣れてきました。
最初は大変だと思いますが、難しい仕事ではないので、未経験の人も始めてみてはいかがでしょうか。
この記事では、「物流倉庫作業」の仕事内容やメリット・デメリットについて解説していきます。
物流倉庫作業は未経験でも大丈夫!
物流倉庫作業は気軽に始められる業務で、未経験でも大丈夫です。
以下に、未経験でも始めやすい理由について説明していきます。
特別な知識は必要ない
結論として、物流倉庫作業で働くにあたって特別な知識は必要ありません。
しかし、ある程度の体力は必要です。
なぜなら、重いものを運んだり、一日中立ちっぱなしで作業することが多いからです。
例えば、企業によれば、20キロ以上の荷物を持たなければならないこともあります。
したがって、特別な知識は必要なく、ある程度の体力があれば未経験でも十分に始めることが可能です。
フォークリフト免許の必要性
フォークリフト免許がなくても就職できる企業はあります。
なぜなら、フォークリフト作業以外にも業務があるからです。
また、フォークリフト免許の取得のサポートをしている企業もあるので、入社時に持っていなくても問題ありません。
例えば、企業は新入社員に作業を通じてフォークリフトの操作方法を教え、慣れさせた後に免許を取得させることもあります。
したがって、物流業界未経験でフォークリフト免許がなくても物流倉庫の仕事を始めることができます。
仕事内容について
「倉庫内作業」とは、物流業界における業務の一つであり、倉庫内に保管されている商品の管理と、それらの商品の入出荷を行う作業を指します。
簡単に言えば、倉庫に荷物が入ってきて、必要な分の荷物が出ていくイメージです。
特別な専門知識は必要なく、未経験者でも参入しやすい分野です。
仕事内容は以下のようになっています。
仕事内容
- 入荷
- 入庫
- ピッキング
- 仕分け
- 検品
- 梱包
- ラップ巻き
- ラベル貼り
- 積み込み
入荷作業について
入荷作業とは、倉庫に届いた荷物を受け入れることです。
この荷物を受け入れることを「荷受け」と呼んでいます。
荷受けの方法は以下のように2つあります。
人の手で荷受けする
フォークリフトを使用して荷受けする
それぞれ、1つずつ説明していきます。
人の手で荷受けする
トラックに積まれた荷物を荷受けするには、パレットと呼ばれる物流用荷台が必要です。
パレットとは、木材やプラスティック製の物流用荷役代のことで、形状は正方形や長方形があります。
以下の画像に写っているものがパレットです。
荷受けの際は、荷物をパレットに規定の高さまで積みます。
商品が積み終わったら、その商品や数が正しいかチェックします。
このチェックする作業は検品と呼ばれ、間違った商品や数、または破損がないかを調べるのに必要です。
積み終わったパレットは、フォークリフトなどを使用して倉庫の中へ運びます。
フォークリフトを使用して荷受けする
荷物がパレットに積まれた状態で運ばれてくることもあります。
パレットに積まれていれば、人の手で荷受けする必要はなく、フォークリフトを使って荷受けします。
その他の工程は、先ほど説明した人の手で荷受けする場合と同様です。
入庫について
荷受けして検品された商品を倉庫の中へ運びます。
倉庫内には、荷物を保管するための棚が置かれていることが多いです。
指定の位置に荷物を格納することを「棚入れ」と言います。
また、「入荷」から「検品」を経て「棚入れ」までの作業を「入庫」と言います。
よく「入荷」と「入庫」は混同されますが、「入荷」は「入庫」の一部です。
ピッキング作業について
ピッキング作業とは、必要な商品を集めてくる作業のことです。
集めてくる商品や必要な数は、ピッキングリストという用紙に書かれていて、商品の置いている場所もピッキングリストを見れば分かります。
商品の位置情報を、物流業界では「ロケーション」と呼ばれています。
倉庫によって異なりますが、一般的に商品は棚に保管されます。
商品を容易に見つけられるように棚には、アルファベットや番号が割り当てられ、ピッキングリストにも商品の情報がアルファベットや番号で書かれています。
ピッキング時には、カートやパレットを使用して商品を運びます。
ピッキング作業の流れは、ピッキングリストを取って、必要な商品をカートやパレットに積んでいきます。
集め終わったら、検品者に集めてきた商品や数が間違ってないかをチェックしてもらいます。
検品者とは集めてきた商品やその数に間違いがないかをチェックする人のことを言います。
ピッキングのイメージを簡単に言えば、買い物を頼まれた時が分かりやすいです。
例えば、家族や友人に買い物を頼まれた時を想像してみてください。
メモを見ながら必要な物をカートに入れていくイメージが、ピッキング作業になります。
仕分け作業について
仕分け作業とは、商品を指定された場所に振り分ける作業を指します。
一見、ピッキング作業と似ている部分もありますが、作業自体は違うものです。
仕分け作業の内容は、混在された商品を同じ種類の物や、出荷先別に分ける作業です。
例えば、A、B、Cという3種類の商品が混載しているとします。
AはA、BはBの指定場所や出荷先といったように仕分けます。
仕分け作業のイメージとして、部屋の片付けなどが分かりやすいです。
散らかった物を、指定の位置に戻すイメージが、仕分け作業に似ているように思います。
検品作業について
検品作業とは、商品の状態や数量を確認する作業を指します。
ピッキングされた商品のチェックは検品作業の1つです。
また、輸送中に荷崩れした時や、保管中に商品を落としてしまった時なども検品作業が必要です。
基本的に、入荷した商品は出荷前に検査する必要があります。
さらに、入荷した商品や出荷前の商品の数量を確認することも重要です。
なぜなら、破損した商品や発注された商品の数が間違っていれば、その取引先からクレームが来ます。
また、同じことが何度も起これば、取引絶たれてしまうこともあるので、注意が必要です。
この業務は、初心者には任せず、倉庫作業の経験が豊富な人に任されるが多いです。
理由は、商品の状態が良いか悪いかを判断することが初心者には難しい場合があるためです。
例えば、初心者に任せて、状態の悪いまま出荷してしまうと、結果は想像できますよね。
しかし、会社によっては、初心者にも任せているところもあります。
その理由としては、人数が少ない企業であるか、初心者の段階から検品になれさせるという考えからでしょう。
しかし、納品後のクレームのことを考えると、経験者に任せる方が無難です。
検品作業は体力をそれほど要求されないものの、集中力を必要とするため神経を使う作業です。
その結果、目の疲れを感じやすい作業でもあります。
また、定位置で同じことの繰り返しなので、飽き性の人には向かない仕事だと言えます。
梱包作業ついて
梱包作業とは、商品を箱に入れて出荷準備をする作業を指します。
一部の商品はそのまま出荷可能ですが、梱包が必要な商品も多くあります。
梱包作業が必要な場合は、商品をバラで出荷する時です。
「バラ」とは1商品の最小単位のことを指します。
例えば、10個の商品が1つの箱に入っている商品があるとしたら、「バラ」が10個あると言えます。
梱包作業のやり方は、基本的には商品を箱の中に入れて、箱のつなぎ目をテープでとめる作業です。
もし、商品の保護が必要な場合は、緩衝材を使用し、その後テープで箱を封じます。
テープの貼り付けは、テープカッターを用います。
なぜなら、テープの切れ目が直線的に仕上げることができるので、見栄えが良くなるからです。
例えば、テープカッターを使用せずに梱包すると、見栄えの悪い商品になります。
納品先からのクレームも避けるために、テープカッターの使用は推奨します。
最初は、テープカッターを使いこなすことは難しいですが、何回も使っているうちに感覚がつかめてきます。
ラップ巻き作業について
ラップ巻き作業と聞くと、キッチンで食品を包む際に使用されるサランラップを思い浮かべるかもしれません。
しかし、物流業界におけるラップ巻き作業は、パレットに積載された商品が運搬中に崩れないように固定する作業を指します。
物流で用いられるラップはキッチンで使用するサランラップのように小さくなく、幅50センチメールのものが一般的です。
ラップをする際は、商品がズレないようにするためには、同じテンションで巻く必要があります。
巻き方はラップをパレットの下から上に向かって螺旋状に巻いていきます。
巻き終わったあとは、荷物がしっかりと固定されているかをチェックすることが必要です。
理由は、ラップの張りが弱く、運搬中に荷物が崩れてしまうことがあるからです。
例えば、一見しっかりと巻けているように見えても、固定されていないことがあります。
荷物が崩れると、やり直す必要がありますので、巻いた後はしっかりと固定されているかをチェックしましょう。
ラベル貼り
ラベル貼りとは、出荷先や商品の情報が書かれたラベルを商品に貼ることを言います。
ラベル貼りの目的は以下の通りです。
トラッキング
正確な配送
在庫管理の効率化
それぞれ、1つずつ説明していきます。
トラッキング
ラベルには、バーコードや商品コードがついており、出荷状況などを調べることができます。
配送中には、破損などのトラブルを引き起こすことも考えられます。
そのようなトラブルにもすぐに対応することが可能です。
正確な配送
発送した商品の追跡情報を把握することも可能です。
これにより、出荷ミスを防ぐことができます。
在庫管理の効率化
商品の中には、指定の場所に保管されず、置きっぱなしにされているものもあります。
指定の場所に置かれていないため、商品が紛失されることも考えられます。
商品の紛失を防ぐためにも、在庫管理は必要です。
ラベルを貼っていることで商品の在庫状況が分かるため、ロケーションの分からない商品の情報を調べることができます。
ラベルを貼っていることで、商品がなくなることを防ぐことができます。
積み込み作業について
積み込み作業とは、出荷準備が整った商品をトラックに積んでいく作業のことです。
簡単に言えば、入荷作業の逆の工程です。
人の手で直接トラックに商品を積み込むか、あるいはフォークリフトを使用して積み込むかの2パターンです。
倉庫内作業はどういう人に向いているか
次に、倉庫内作業はどんな人に向いているかについて説明していきます。
以下に倉庫内作業に向いている人をまとめています。
コミュニケーションが苦手な人
黙々と作業をこなせる人
体力がある程度ある人
それでは、それぞれ1つずつ説明していきます。
コミュニケーションが苦手な人
倉庫内作業は、基本的なコミュニケーションが取れれば、仕事をするにあたって問題ないです。
スーパーなどの接客業務とは違い、必要以上にコミュニケーションを取る必要がありません。
主に物と向き合う仕事であるため、他の職種と比較して、人への気遣いが少なく済みます。
営業や接客業またはプレゼンテーションのようなトーク力は求められないため、人と話すのが苦手な人でも安心して仕事に取り組むことができます。
黙々と作業をこなせる人
黙々と作業に集中できる人には、この仕事が適しています。
じっとしてられない人や、単調な作業を苦手とする人には不向きかもしれません。
特に検品作業では高い集中力が求められるため、作業中に人と話す余裕はありません。
一日中同じ作業を繰り返すことになりますが、それを苦に感じない人には合っている職種だと言えます。
体力がある程度ある人
倉庫内での作業には、一定の体力が求められます。
先に述べたピッキング作業やラップ巻き作業などは、相応の持久力を必要とします。
検品作業では、他の作業に比べてそれほど多くの体力を消耗することはありませんが、定位置で同じ作業をすることが多いです。
同じ位置での作業のため、足腰に負担がかかり、腰痛の原因になりかねません。
いずれにしても、1日作業できるための十分な体力は必要です。
倉庫内で働くにあたってのメリット・デメリットについて
倉庫内で働くメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。
メリットについて
メリットについては、以下の3つに挙げられます。
技術や特別な知識が不要
倉庫内で働くにあたって、特別な知識は要らないです。
フォークリフトを使用して荷物を運搬する場合は、フォークリフト免許が必要になります。
しかし、フォークリフト免許がなくても、物流倉庫で働くことは可能なので、その点は問題ないです。
どの作業も単純作業が多いので、未経験の人にもすぐに慣れるのが良いところです。
フォークリフト免許取得支援がある企業もある
会社によれば、フォークリフト免許を取らせてくれるところがあります。
免許取得には費用と時間がかかりますが、会社が費用を負担し、免許取得までの期間は出勤扱いになります。
免許取得には、約3万円の費用と4日間の日数が必要です。
自分で取りに行く場合と比べると、会社のサポートを受けることで、費用負担がなく、出勤日数にも影響がないため、非常に便利です。
また、免許取得に集中できる環境が整えられているため、スムーズに取得することができます。
働き方を選べる
「倉庫内作業」には正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣社員を雇用している企業も多いです。
なぜなら、仕事量が多く、正社員だけでは全ての業務をこなすことができない場合もあるからです。
例えば、ピッキングや仕分け作業のような簡単な作業をアルバイトに任せることで、正社員が検品などの重要な作業に集中できます。
したがって、正社員だけでは業務を賄えないこともあるので、その他の雇用形態も取り入れる必要があります。
また、倉庫内作業で働く非正規雇用のスタッフの中には、正社員に登用した人もいます。
最初は、非正規雇用で経験を積んで、正社員になれるのも大きなメリットです。
デメリットについて
デメリットについては、以下の3つ挙げられます。それぞれ1つずつ説明していきます。
体力的にきつい
空調などの設備有無
不規則な勤務シフト
体力的にきつい
作業は単純で覚えやすいのですが、体力的には楽な仕事ではありません。
なぜなら、会社によっては扱っている商品が重いため、その重い荷物を持たなければならないからです。
例えば、スポンジのような軽い商品なら、それほど体力は要らないでしょう。
しかし、家具のような重い荷物だけを扱っている会社であれば、それなりの体力は必要です。
ゆえに、倉庫内作業を始める前に、自分の体力と健康状態を確認する必要があります。
企業によっては、座ってやる作業もありますが、1日中座っていることで足腰に負担がかかります。
いずれにしても、ある程度の体力は必要です。
空調などの設備有無
空調設備が整っている企業もありますが、ないところも少なくありません。
倉庫の構造上、窓が少ないので、外からの空気があまり入ってきません。
そのため、倉庫内が十分に換気されないため、ほこりが空気中に舞っています。
器官の弱い人には、喘息を引き起こす可能性もあります。
仕事をする際には、マスクの着用が欠かせません。
また、空気の循環が悪いことから、夏場は蒸し暑い環境で仕事をしなくてはなりません。
逆に、冬場は寒いところにいないといけないところがつらいところです。
不規則な勤務シフト
企業によっては、日勤のみならず2交代制や3交代制のシフトを運営している企業もあります。
なぜなら、日勤のみでは生産性が限られてしまい、需要に対応しきれないからです。
例えば、大手物流企業では、24時間体制で商品を取り扱う必要があるため、2交代制や3交代制を導入することで、24時間常に稼働できる体制を整えています。
したがって、シフト制を採用することで、生産性を最大化し、顧客のニーズに迅速に応えることが可能となります。
しかし、企業にとっては生産性を上げるメリットがありますが、従業員にとっては必ずしもメリットばかりではありません。
深夜手当がつくという点では、メリットと言えるかもしれません。
しかし、寝る時間が不規則になるため、充分な睡眠を取れなくなります。
その結果、慢性的な疲労を抱えることになります。
おわりに
以上、物流倉庫の仕事内容やメリット・デメリットについて触れてきました。
なんとなく物流倉庫のイメージはつかんでいただけたでしょうか?
知識や経験がなくても、気軽に始められるので、興味のある人は始めてみてはいかがでしょうか。
ある程度の体力は求められますが、続けているうちに体は慣れてきます。
また、フォークリフト免許がなくても就職できる企業もありますので、事前に求人情報で調べてみるのも良いですね。
これから物流倉庫で働いてみたいと思っている人には、この記事を参考にしていただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。